有機的建築とは
「なぜ、木はこんな形なんだろう。どうして花はこんな形をしているのだろう。」
動植物、海中陸上の別を問わず、生物は各々の環境で生きていくために、自らの形を変化させてきました。逆に言うと、今私たちが目にすることが出来るのは、環境に適応することが出来た生き物だけです。それは、美しく、一見儚くも見える百合の花や海の貝殻にも言えることです。環境に適応した生物の形は無駄が無く、何十年、何百年経とうと美しさを保っています。つまり、これらのデザインは、流行とは関係の無い普遍的な形なのです。
有機的建築とは、『普遍的な形を持っている自然の姿に学び、建物が環境と溶け合いながら、住む人にもフィットするデザイン』の重要性を唱えた建築家フランク・ロイド・ライトの住まいに対する考え方です。だからこそ、その理念に従ってデザインされた数多くの住宅は、建築後百年の時を越えた今も大切に住み継がれているのです。